「日本一の遊撃手へ」広島・小園海斗の調整は順調 不動のレギュラー奪取&初の3割超えを目指す (2ページ目)
高卒3年目でのポジション獲得は、2018年ドラフト組のなかでは出世頭と言ってよかった。翌年も打率こそ落としたが、127試合に出場。広島のショートストップは、しばらく安泰かに思えた。
だが昨年は開幕から絶不調で、一時期、田中広輔にポジションを奪い返されることとなった。それでもシーズン後半になると打撃も復調し、打率も.286まで上げてシーズンをフィニッシュ。プロ入り後、初めてジャパンのユニフォームに袖を通して臨んだアジアチャンピオンシップでは、優勝を味わった。
【日本一の遊撃手への挑戦】
プロ6年目のシーズンに挑む小園だが、ここまで順調な仕上がりを見せている。
2月21日に行なわれたDeNAとの練習試合では、3番ショートでスタメン出場。初回二死ランナーなしの場面でソフトバンクから移籍しローテーション入りを目指す森唯斗からライト前にヒット。つづく3回に巡ってきた打席でも、同じく森からライト前に弾き返し、その後、ベンチに退いた。その扱いは、完全に主力選手のそれだった。
ルーキー時代のように、キャンプ中の練習試合でアピールする必要もないのだろうが、いとも簡単にヒットを放つあたり、調整が順調にいっている証拠だろう。
試合後、小園は2安打を放ったことに「まあまあ順調にきています。あとはこれを開幕まで維持したいですね」と納得の表情を見せた。
侍ジャパンに招集されているため、キャンプ打ち上げ後に一旦チームを離れることになるが、「試合が続くのは一緒なんで」と気にする様子はなかった。
例年スロースターターで、昨年はそれが裏目に出た形となったが、侍ジャパン合流のため特別調整を早めたわけでもないというその言葉からは、普通にやっていれば結果はついてくるという確固たる自信すら感じさせる。
もうショートのポジションは誰にも渡さないという気持ちなのかという問いに、きっぱり「そうですね」と返すその視線の先には、「日本一のショート」という目標があるのだろう。
現在、日本球界を代表するショートと言えば、西武の源田壮亮の名前が挙がるが、もう打力の点では小園が凌駕しているかもしれない。今季、小園にはショートを守りながら打率3割超えが当然のように期待される。それをクリアすれば、広島だけでなく、侍ジャパンでも向こう10年、ショートの心配はなくなるだろう。
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著者プロフィール
阿佐 智 (あさ・さとし)
これまで190カ国を訪ね歩き、22カ国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆。国内野球についても、プロから独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌、ウェブサイトに寄稿している。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。
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