高木豊は2023年のパ・リーグ助っ人たちに辛口評価 大型補強のソフトバンクは 「なぜ獲ったんだ」という選手も (6ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

◆日本ハム【野手△/投手☓】

 2年連続で最下位に沈んだ日本ハム。中日から移籍してきたアリエル・マルティネスは攻守で活躍したが、その他の助っ人は不振に終わった。特に先発ローテーションの一角として期待していたコディ・ポンセの春先の故障が痛かった。

「マルティネスは◎でいいと思います。キャッチャーやファースト、DHも含めて、ポジションがいろいろ変わる負担があったにも関わらず、肝心なところでけっこう打っていました。長打力もありますし、チームにも溶け込んでいた印象です。

(アリスメンディ・)アルカンタラは、日本の野球に合うタイプだと思うのですが、使ってもらえませんでしたからね。そんなに体は大きくないのにパンチ力があって、両打ちですし、打席数が増えればそこそこの数字は残すと思うのですが。(アレン・)ハンソンは、ドアスイングなので打率を残せない。バットにうまく引っかかった時には大きなホームランが出るのですが、その場面は多くありませんでした。

 ポンセはシーズン序盤の故障が痛かったですね。復帰してからは相変わらず球威がありましたし、終盤はコンスタントに白星を重ねていたので、数字ほど悪い印象はありません。昨季はノーヒットノーランを達成したように実力はありますし、故障さえなければふた桁勝てるピッチャーだと思います。

 シーズン途中で加入した(ジェームス・)マーベルは、ロングリリーフでいい働きをしていましたが、先発した時は制球が甘かったですし不安定でした。球威があるタイプではないので際どいところを攻めていかないと打たれます。(ブライアン・)ロドリゲスは失点するシーンが目立ちましたし、日本で長年投げていることもあってバッターが慣れていますよね。中継ぎで防御率5点台は厳しいです。

【助っ人外国人の成績】

(野)マルティネス 119試合 打率.246 15本塁打 66打点 出塁率.338 OPS.763

(野)アルカンタラ 41試合 打率.204 4本塁打 10打点 出塁率.262 OPS.625

(野)ハンソン 39試合 打率.144 4本塁打 9打点 出塁率.188 OPS.499

(投)ポンセ 10試合 4勝5敗 防御率3.66 QS率30.0

(投)メネズ 12試合 0勝2敗 防御率3.16  QS率25.0

(投)マーベル 8試合 2勝2敗 防御率2.49

【プロフィール】
高木豊(たかぎ・ゆたか)

1958年10月22日、山口県生まれ。1980年のドラフト3位で中央大学から横浜大洋ホエールズ(現・ 横浜DeNAベイスターズ)に入団。二塁手のスタメンを勝ち取り、加藤博一、屋鋪要とともに「スーパーカートリオ」として活躍。ベストナイン3回、盗塁王1回など、数々のタイトルを受賞した。通算打率.297、1716安打、321盗塁といった記録を残して1994年に現役を引退。2004年にはアテネ五輪に臨む日本代表の守備・走塁コーチ、DeNAのヘッドコーチを2012年から2年務めるなど指導者としても活躍。そのほか、野球解説やタレントなど幅広く活動し、2018年に開設したYouTubeチャンネルも人気を博している。

■元プロ野球選手のYouTuberのパイオニア

高木豊のYouTubeチャンネルはこちら>>

プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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