ヤクルトルーキー4人衆プロ1年目の格闘の日々「いつか4人で一軍の舞台で」 (5ページ目)
【いつか4人で一軍の舞台へ】
今回、同期入団の野手4人にそれぞれのことをどう思っているのか聞いてみた。
澤井廉
「恵吾は何も考えずに......とは言わないですけど、振りきった行動や言動を体現できる。自分は物事を考えて実行することが多いですし、むしろ考えすぎてしまうので、そこはすごいなと。星哉は負けず嫌いで、そこは自分に似ているところがあり、内に秘めたものを感じます。瑠伊斗はみんなに対して生意気なんですけど(笑)、それがプロ向きなのかもしれませんし、自分を素直に表現できる。これも自分にはないところですごいなと」
西村瑠伊斗
「澤井さんは真面目で、リスペクトしています。でも、深く関わっていくとおちゃらけた面もあって楽しい。北村さんはフレンドリーで仲良くさせていただいています。あと、抜くところは抜いてますけど、やることはちゃんとやる。橋本さんは何に対しても熱心に取り組んで、僕が『うわぁー』と思う練習もしっかりやっているのですごいです」
北村恵吾
「澤井はあれだけ振れるのは魅力ですし、逆方向にもホームランが打てる。自分が目標にしているところなので、尊敬していますし、自分も身につけたい。橋本はストイックですね。どんなメニューでも全力でやり遂げる。西村は後輩ですけど、同級生みたいに仲良くしています。プロに入ってからサードに挑戦して、ある程度こなせているのでセンスのよさを感じます。とはいえ、同じポジションなので負けないようにと、そこはやっています」
橋本星哉
「廉はいいヤツなんですけど、何を考えているのか、一番わからない(笑)。恵吾は面白くて、西村は生意気です(笑)。僕はそのなかのまとめ役です。みんなで切磋琢磨しているし、お互い指摘しあえる仲なので、将来、4人で一軍の舞台で活躍できるように、自分も頑張っていきたいです」
チームには村上宗隆、塩見泰隆、宮本丈、松本直樹という同期入団の野手が活躍したという大きな成功例がある。そのことを髙津臣吾監督に話すと、こんな答えが返ってきた。
「ムネ(村上宗隆)たちも年上、年下はありますが、同期で仲良く一緒に鍛えながら、一緒に一軍に上がってきました。彼らがそうしたいいタイミングになるかわからないですが、いい刺激を与えあいながらやってほしいですね。まだ一歩目を踏み出したにすぎないですし、彼らの成長を見届けながら、しっかり育成していかないといけないと思っています」
来季、彼らがどんな活躍を見せてくれるのか、今から楽しみでならない。
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著者プロフィール
島村誠也 (しまむら・せいや)
1967年生まれ。21歳の時に『週刊プレイボーイ』編集部のフリーライター見習いに。1991年に映画『フィールド・オブ・ドリームス』の舞台となった野球場を取材。原作者W・P・キンセラ氏(故人)の言葉「野球場のホームプレートに立ってファウルラインを永遠に延長していくと、世界のほとんどが入ってしまう。そんな神話的レベルの虚構の世界を見せてくれるのが野球なんだ」は宝物となった。以降、2000年代前半まで、メジャーのスプリングトレーニング、公式戦、オールスター、ワールドシリーズを現地取材。現在は『web Sportiva』でヤクルトを中心に取材を続けている。
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