「現役ドラフト」に出そうなパ・リーグの選手は? 高木豊は変則ピッチャーや貴重なスイッチヒッターの名を挙げた
高木豊が語る現役ドラフト候補
パ・リーグ編
高木豊氏に聞く現役ドラフト候補のパ・リーグ編。阪神・大竹耕太郎(元ソフトバンク)や中日・細川成也(元DeNA)のように、同制度をきっかけに飛躍する選手が出てくるのか。環境を変えることで、活躍の場が広がりそうな選手を挙げてもらった。
2021年、リリーフながら8勝を挙げたロッテの佐々木千隼 photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る
【ロッテの変則ピッチャーは先発起用でチャンス?】
――惜しくも日本一は逃しましたが、リーグ3連覇を果たしたオリックスで現役ドラフトの候補になりそうな選手は?
高木豊(以下:高木) 吉田凌の可能性があるかなと思っていたのですが、戦力外になってしまいましたね。オリックスはただでさえリリーフの層が厚いのですが、山岡泰輔をリリーフに配置転換してますます層の厚さが増しました。ただ、吉田のスライダーのキレは特筆すべきものがありますし、ほかのチームであれば勝ち試合のセットアッパーでいける力があると思います。
現役ドラフトの候補として考えられるのは、野手の山足達也(やまあし・たつや/30歳)です。オリックスは野手の層も厚くなってきていて、今年は特に出番が減ってしまいました(32試合出場、打率.200)。ただ、内野の全ポジションと外野も守れるユーティリティープレーヤーですから、獲りたいチームはありそうですね。
――ロッテはいかがでしょうか?
高木 肩や肘の状態が悪くないのであれば、2016年のドラ1右腕、佐々木千隼(ささき・ちはや/29歳)は可能性があると思います。最近はヤクルトの小澤怜史や日本ハムの鈴木健矢、DeNAの平良拳太郎などがそこそこ活躍していて、「変則ピッチャーが活躍する流れが来るのかな」という感じがするんです。フライボール革命の影響などもあってバッティングの理論がいろいろ変わってきていて、各バッターが変則ピッチャーを打ちあぐねていますから。
そう考えると、サイドスローに近いスリークォーターの佐々木も十分に活躍できるんじゃないかと。2021年に54試合を投げたのが印象的ですが、リリーフではなく先発の5番手、6番手、ローテの谷間とかで投げさせても面白いかもしれません。ロッテでは先発で起用されることはなさそうですし、環境を変えれば活躍の場が広がると思います。
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著者プロフィール
浜田哲男 (はまだ・てつお)
千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。