ヤクルトルーキー4人衆プロ1年目の格闘の日々「いつか4人で一軍の舞台で」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

今季ファームで18本塁打を放った澤井廉今季ファームで18本塁打を放った澤井廉この記事に関連する写真を見る

【全方向にホームランを打つ】

 澤井廉(中京大→ドラフト3位)は「ホームランは自分の長所です」と入団時から言い続け、180センチ、90キロの体はすでにプロ仕様。二軍では18本塁打を放ちタイトルを獲得したが、一軍では16試合の出場で、打率.156、0本塁打に終わった。

「この1年、いろいろな攻め方、崩され方をされてイメージがつかないこともあったのですが、自分の持ち味を理解したうえで打席には立てました。二軍では、投手が、たとえば3ボールになると四球を出したくないと勝負をしてきますが、一軍の投手は自分の打ち気を感じて振らせにきたりする。そこのコントロールの違いを感じました。だからといって、実力の違いに打ちひしがれることはなかったのですが、今のスイングではアウトコースの球を打つのは難しいので、そこへの対応が必要だと思いました」

 フェニックスリーグでは宮出隆自打撃コーチ、畠山打撃コーチと課題に向き合ってきた。

「自分の場合は力任せになることが多く、振ったところにボールがきたという形になっていました。このスイングでは、自分の目指すところである"全方向にホームランを打つ"のは難しい。そこを改善しようと、バットを内側から出すインサイドアウトを教えていただいています。どの球種、どのタイミングに対しても、同じスイングで崩されない。村上(宗隆)さんのように軸一本でバットを振れるようにしたい。なおかつ、低めを拾ったり、ボール球を見極めたりして、打率も求めていきたい」

 フェニックスリーグでは本塁打を3本放ち、うち2本は逆方向への一発だった。しかし10月24日のソフトバンク戦で、レフトを守る澤井はファウルフライを追って、三塁の長岡秀樹と激突。救急車で病院に運ばれるという大きなアクシデントに見舞われた。負傷した箇所や全治までの期間は明らかになっていないが、少しでも早い回復を願うばかりだ。

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