ヤクルトルーキー4人衆プロ1年目の格闘の日々「いつか4人で一軍の舞台で」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

来季は支配下登録を目指す橋本星哉 photo by Shimamura Seiya来季は支配下登録を目指す橋本星哉 photo by Shimamura Seiyaこの記事に関連する写真を見る

【目指すは支配下登録】

 橋本星哉(中央学院大→育成1位)は1月の新人合同自主トレで、タイム走など「体力には自信がありました」と計測したすべてで1位を獲得。だが、公式戦が始まるとキャッチャーの守備面で苦しんだ。

 衣川篤史二軍バッテリーコーチは「捕手としての経験や専門的な引き出しが少なすぎた」と話した。一塁走者の盗塁を簡単に許し、イニング間の二塁送球でとんでもない暴投をすることもあった。

 橋本は「教えられたことが頭のなかでごちゃごちゃになって、パニックになってしまった」と振り返る。

「そのなかでスローイングの修正ポイントなど、やることを絞って取り組みました。毎日いろんな発見があり、日々上達していく自分を実感できた楽しい1年でした。試合後にはキヌさん(衣川コーチ)と個別ミーティングで反省して、次に生かす。ケガで離脱した期間もありましたが、その間もリードや配球などの勉強ができましたし、無駄にはなりませんでした」

 最終的には打率.282、2本塁打。一塁走者に簡単にスタートされることもなくなった。

 フェニックスリーグでは、打撃では長打力アップを課題に下半身の使い方を学び、夜間練習でも下半身を中心とした体幹強化に励んだ。捕手としては「二軍では盗塁阻止率が1割ちょっとしかなかったので......」と、3割を目標に設定。打率.310、盗塁は9回企画されたなか5回刺し、阻止率は.556をマークした。

「最初のほうはなんで刺せたのかなという感じでしたが、後半は内容的にも納得できましたし、なぜアウトにできたのかを理解できるようになりました」

 来シーズン、目指すところはもちろん支配下登録だ。

「長所であるスピードや打撃に磨きをかけ、守備もレベルアップして、一軍に出られるように頑張りたい。そこから打って走れる攻撃的な、今までにないキャッチャーを目指してやっていきたいです」

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