新井貴浩監督が語るカープ再建への決意。「大前提はチームが勝つこと。輪を乱す者には容赦しない」 (5ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Nishida Taisuke

── 新井監督自身、就任時から前向きなコメントを発信されていますが、最悪のケースを想定しながらチームづくりをされているのでしょうか。

新井 チームが順調な時は、監督って何もしなくていいんですよ。「よし、いけー!」で終わり(笑)。でも逆境の時は、僕は船頭だと思っているので、大雨が降っていようが、強風がこようが、自分がしっかり道しるべにならないといけない。

── 今は監督に就任されたばかりで歓迎と期待の声ばかりですが、シーズンが始まれば厳しい声も聞こえてくるかもしれません。

新井 もちろんです。でも現役を20年やりましたけど、変な意味でも、ネガティブな意味でもなく、叩かれることには慣れています(笑)。監督として、ある時は選手を守ってやらないといけないし、選手を突き放さないといけない場面もある。基本的に自分は優しい性格だと思いますが、甘くはないよと。カープのために何ができるのかというのを常に考えながら、精一杯やっていきたいと思っています。


新井貴浩(あらい・たかひろ)/1977年1月30日、広島県生まれ。広島工高から駒澤大を経て、1998年ドラフト6位で広島に入団。4年目の2002年にレギュラーの座をつかむと、05年は43本塁打を放ち本塁打王のタイトルを獲得。07年オフにFA権を行使し、阪神に移籍。11年には打点王に輝いた。14年から出場機会が減少し、15年に8年ぶりに古巣・広島に復帰。16年には4番打者として25年ぶりのリーグ制覇に貢献し、MVPを獲得。その後、球団史上初のリーグ3連覇を果たし、18年限りで現役を引退。23年から新監督として広島の指揮を執る。

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