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新井貴浩監督が語るカープ再建への決意。「大前提はチームが勝つこと。輪を乱す者には容赦しない」

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Nishida Taisuke

広島・新井貴浩新監督インタビュー

 4年連続Bクラスと低迷が続くカープの再建は、新監督の新井貴浩監督に託された。現役時代は伝統の猛練習で鍛え上げられ、阪神移籍を経て、広島に復帰。現役終盤はチームの精神的支柱としても活躍。現役引退した2018年まで、3連覇の中心選手として牽引した。はたして、どのような手腕で強いカープを復活させようとしているのか。大きな期待を背負う新指揮官を直撃した。

2023年から広島の指揮を執る新井貴浩監督2023年から広島の指揮を執る新井貴浩監督この記事に関連する写真を見る

【選手との距離感】

── 監督に就任され、現役時代同様にチームを"家族"と表現されています。現役時代は選手の兄貴分でしたが、監督となった今は父親という存在でしょうか。

新井 時と場合によって変わってくると思います。ある時は厳しい父親のように、ある時は優しい母親のように、またある時は頼りがいのある兄貴のように......。そこはひとりで何役もしないといけないと思っています。

── 家族にもいろんな形があります。家長が厳しくすることもひとつの形。昨年秋のキャンプ中は温かい家族のように映りましたが、選手たちを厳しく叱ることも必要になってくるのではないでしょうか。

新井 もちろん出てきます。たとえば、やらなければいけないことを怠った者、チームの輪を乱す者に対しては厳しくなると思います。

── 結果ではなく、あくまで取り組む姿勢だと。

新井 そうですね。打たれました、打てませんでした、エラーしましたなど......そういうことに関しては、あまりうるさく言うつもりはありません。家族と表現するチームとして、何が大前提にあるかというと、勝利なんです。勝つために、優勝するために、日本一になるために、勝つことが大前提になるので、その輪を乱すことはすごく嫌いです。そこに対しては厳しくなると思います。

 ただその時も、怒るのではなく叱る。怒るというのは自分の感情なので、それを選手にぶつけるつもりはありません。自分のなかで気に食わないことがあるからとか、イライラしているから怒るいうのは絶対にしません。選手のことを考えて叱る。

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