DeNA大家友和コーチは「観察」重視。「自分の考えより、まず選手を見る」 (4ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Koike Yoshihiro

 コーチの助けもあって2Aで結果を出した大家は、6月半ばに3Aに昇格。ポータケット・レッドソックスでプレーし、マイナーでの連勝を11に伸ばすと、7月18日にメジャーに昇格する。やはり、3Aでもコーチに助けられた面はあったのだろうか。

「助けていただいたことはたくさんあって、それらを総合的に実践していけたことが大きかったですね。一つひとつ、コーチに言われたことを選択して、つなぎ合わせていくのが選手の仕事だと思うし、選手自身、選択していかないといけない。それは僕自身、うまく選択していけたので、与えられたものに対して、押しつけ、という印象はなかったです。

 その後、メジャーで結果を出せるようになってからも、コーチと話したことがいろんなところで助けになったり、ならなかったり(笑)。そのあたりは人にもよりますし、環境にもよります。だから、アメリカで出会ったコーチ全員が僕を助けてくれたかというと、その限りではないです」

 翻って、DeNAの若い投手たちを助ける立場になって、選手を見る、選手から聞くという期間を経てアプローチしていく時、必然的に選手それぞれ違う形で関わっていったのだろうか。

「それは身長が190センチの選手もいれば、160センチの選手もいますから、当然のことですね。あるいは、いろんなことの理解度の違いがありますから、しっかり見定めなければいけないなと思っています。そのためにはある程度、付き合う時間も必要です。

 何せ、最初、こちらへの信用度はあるわけないんで(笑)。お互いの信頼、信用という部分で、お互い知らなきゃいけない、知ってもらわなきゃいけない。とくに若い選手においては、なかなか、それなしにできませんから。時間と手間をかけないといけないのは、間違いないですね」

つづく

(=敬称略)

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る