DeNA大家友和コーチは「観察」重視。「自分の考えより、まず選手を見る」 (3ページ目)
大家が出した結果は、開幕8連勝。12試合に先発して8勝0敗、72回を投げて防御率3.00という好成績だった。もっとも、勝ち続けたなかで毎試合、好投していたわけでもなく、何度も味方打線に助けられたという。
そのなかで、コーチからはどう指導されたのか。アメリカでは、メジャーのコーチは選手のほうから聞かないとほとんど技術の指導はしない、マイナーのコーチは細かい技術指導もする、とよく言われている。当時、実際にはどうだったのだろうか。
「技術については、ここに欠点がある、とコーチが判断したら、『こうだよ』といった話はもちろんしていました。ただ、それはコーチ自身のアプローチの仕方にもよりますし、そこは日本もアメリカも一緒であって、メジャーはこう、マイナーはこう、と決まっているわけではありません。
たとえば、日本のプロ野球での実績があって行かれる方は、ある程度の技術やルーティンを持たれてメジャーでプレーする。となれば、そのレベルの選手に対して、あまりコーチは言わないでしょう。僕自身、日本で十分な実績があって行っていたら、何も言われなかったかもしれません」
2Aの投手コーチに言われたアドバイスは「ステイ・バック」。投げる時の軸足にしっかりと体の重心を残せ、という意味だ。当時の大家は、ピンチになると気持ちの焦りが投球フォームに出る悪癖があり、投げ急ごうとして体が前のめりになってしまっていた。それを修正するための助言だった。
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