DeNA大家友和コーチは「観察」重視。「自分の考えより、まず選手を見る」
【連載】チームを変えるコーチの言葉~大家友和(1)
コーチとして迎える3度目の春季キャンプが始まる直前のことだ。大家友和に新しいシーズンに向けての抱負を尋ねると、すぐに笑顔になってこう答えてくれた。
「新任のコーチが来てくれるので、彼といろんな取り組みができればいいな、と思っています。そのうえで、結果を残してくれる選手がたくさん増えればいいなと。それだけですね」
2018年からDeNAの二軍投手コーチを務めている大家友和 2020年、DeNAのコーチングスタッフは一部改編され、一軍投手コーチだった三浦大輔がファーム(二軍)監督に就任。それに伴い新たなファーム投手コーチに牛田成樹が就任し、大家の相棒となった。
牛田は10年前、大家が米球界から横浜ベイスターズに復帰した年、セットアッパーで活躍した元同僚。5歳年下の後輩でもある新任コーチとの共同作業を楽しみにしているようだった。
メジャー通算202試合登板で51勝の実績があり、日本プロ野球と日米の独立リーグでもプレーして現役生活24年。それだけ豊富なキャリアを持つ大家にも、牛田と同じく「1年目のコーチ」の時があった。17年春先の引退決意から約6カ月後、古巣から声をかけられていざチームに帯同した時、まず、何を、どうしたい、と考えたのだろうか。
「何もないです。何も自分の考えを持ち込むのではなく、まず選手を見る。見なきゃ何も起こらないですから。幸い、就任前年の秋季練習からチームを見る機会をいただいて、いろんなことを把握できました。翌年2月から初めて、ではなく、事前に選手を見る、選手から聞く時間があったのでスムーズでしたね。これは僕が現役の時、マイナーでしていただいたのと同じことです」
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