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ヤクルト進撃の裏に早出練習あり。
「1年中キャンプ」で力も自信もUP (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

「遠くに飛ばす練習をしているわけじゃないんですけど、どこのチームにも負けないくらいの数を振ってきた自信もありますし、飛距離的なものは勝手に伸びているというか......」

 その上田は、9月4日の中日戦で延長11回にサヨナラ3ラン。だが、石井コーチが「練習では本当にきれいなスイングなんだよな」と言い、木谷バッティング投手も「剛史の練習でのスイングはレギュラークラスなんですよね」と話すように、なかなか試合で才能を発揮できず、レギュラーに定着できずにいることが残念でならない。

「僕はどうしても理想のスイングを試合で求めてしまい、余計な考えが頭に入り込んで、バッティングが崩れてしまったり......。練習のスイングを試合で出せるように、バットを振って固めていきたい。コーチや裏方さんには、これだけ親身になって練習に付き合ってもらっているので、何とか結果を出したいですね」

「バッティング終了でーす」

 選手たちの声が響き渡り、コーチ、選手、そして裏方さんたちがボールを片付け始める。ヤクルトの早出は、練習の準備や選手へのトス、ボール拾いなど、裏方さんたちの献身があり、またコーチたちも選手たちと一緒になって汗を流す。石井コーチは、早出だけで1日に800球以上のボールを投げている。

 宮本ヘッドコーチに、ここまでの早出練習での成果について聞いた。

「バットを振る力はついたと思います。でも、実際にスイング力を上げるには、体に力をつけさせないといけない。体の力がついたとしても、ウエイトトレーニングなどを真剣にやらないと、ヘッドスピードは上がってきません。バットを振るだけでは限度があると、僕は思っています。そうやって考えると、バットを振るだけのスピードはついたと思いますけど、違う部分で体を大きくというのは、シーズン中、彼らはできなかった。来年への課題として、オフにどれだけフィジカルを上げてくるのか。そこはすごく大きいですね」

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