2018.10.12

ヤクルト進撃の裏に早出練習あり。
「1年中キャンプ」で力も自信もUP

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 10月9日、神宮球場の室内練習場で、ヤクルトの”チーム早出練習”が始まろうとしていた。この日のメンバーは上田剛史、西田明央、田代将太郎、西浦直亨、奥村展征、廣岡大志、塩見泰隆の7人。彼らは1カ所に集まってのティーバッティングを終えると、ネットで仕切られた7つの打撃スペースに各々向かっていった。

「バッティングいきまーす」

 1メニュー5分×7カ所をローテーションで回す打撃練習開始の合図である。

「お前らは1年中キャンプだからな」

9月4日の中日戦でサヨナラ本塁打を放った上田剛史も1年間、早出練習で鍛えられた 今シーズンからヤクルトの打撃コーチとなった石井琢朗は、若手選手を中心に声をかけ続けてきた。

「これは去年秋の松山キャンプから言っていることです。僕としては、選手たちに1年間を通してバットを振る体力、振りグセをつけたかった。早出練習に参加させているのは、ほぼほぼ控えの選手です。控えにいる選手の底上げは大事なことで、主力が抜けた時に戦力が極端に落ちることは避けたい。結果はまだまだかもしれませんが、今年で終わりじゃないですからね。今後につながっていると思います」

 今年の早出練習は、去年までのものと明らかに様子が違っていた。宮出隆自打撃コーチは「去年までは選手個人で早出をしていて、それも大事なんですけど、今年はチームで動き、それをいい習慣にしていこうとやってきました」と説明し、こう続けた。

「選手たちはしんどかったと思います。でも、苦しい時に踏ん張ることがチーム力にもつながります。その成果というか、試合後に『今日は、素振りはしなくていいよ』と免除しても、バットを振る選手が出てきました。試合後にバットを振らずに帰ると、気持ちが悪くなるような……毎日、歯を磨くような感覚になってくれたらいいと思ってやってきました」

 今年1年、選手たちはどんな風にして汗を流してきたのか。早出練習は基本、試合開始の6時間前に始まるのだが、4月21日はこんな光景だった。早出練習はシーズン初めて室内練習場での早出となり、以降は大学野球、高校野球の関係で”室内早出”がメインとなっていく。この日の参加は10人。2組に分かれての練習となった。