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問題だらけの強化試合。小久保ジャパンは
いったい何を「強化」したのか (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 もちろん、武田翔太(ソフトバンク)のように、立ち上がりは決まらなかったカーブが2イニング以降に安定するなど、高い修正能力を見せる投手もいた。それでも4試合で29失点の背景には何があったのか?

「ボールが手につかなかったことがすべて」といったらそれまでだが、配球にも課題を残した気がしてならない。国際大会はセオリーとして、投打において積極性が求められる。投手なら、自身の決め球を初球から用いるような思い切った配球が必要不可欠だ。球数制限もあるし、なにより様子見で投じる球ほど、一発の怖さがある。そういう意味で、この4試合でマウンドに上がった投手の多くは、そうしたメリハリに欠けていた。

 ちなみに、今回招集された投手のなかで、自チームで抑えをやっているのは山﨑康晃(DeNA)だけだった。「今季はどのチームも抑えの調子がいまひとつだったため、権藤コーチと相談し、あえてこの4試合には本職の抑えは呼ばなかった」と小久保監督は言っていた。だとすれば、本番での抑えは山﨑なのか。ボストン・レッドソックスからFAとなった上原浩治を呼び、彼に抑えを任せる構想も聞こえてくるが、それだって確定ではない。結局、投手陣に関しては、本番に向けた"強化"が何ひとつできなかったと言わざるをえない。

 一方の野手陣は、"天井直撃の二塁打"を放った大谷翔平(日本ハム)を筆頭に、大胆な攻撃が披露された。秋山翔吾(西武)や菊池涼介(広島)といった脇役陣もシーズン同様の躍動感を見せ、なにより坂本勇人(巨人)が6番に入るメドが立ったことは大きい。

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