米国スカウトが見た、大谷、筒香、山田、千賀、イチローのWBC戦力度

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘、田口有史●写真 photo by Koike Yoshihiro、Taguchi Yukihito

 来年3月、第4回WBCが開催される。2大会ぶりの世界一を目指す日本の前に立ちはだかるのが、アジアのライバル・韓国はもちろん、前大会王者のドミニカやアメリカなどだ。それに先立ち、北中米はもちろん、世界の野球を知り尽くすメジャー球団のあるスカウトに「WBCで活躍が期待できる日本選手は誰か?」を聞いてみた。現在はアジアを中心に見る彼が、侍ジャパンの強化試合も見たうえで名前を挙げた選手たちの評価は?

WBC本戦では投手としても期待がかかる大谷翔平WBC本戦では投手としても期待がかかる大谷翔平●大谷翔平(日本ハム)

 彼はイチロー並みの足を持ち、松井秀喜クラスのパワーを兼ね備えたすごい選手です。今回の強化試合は投手での出場がなかったので打者に限った話になりますが、WBCではアメリカ、ドミニカなどの北中米の列強国相手でも確実に活躍すると思います。

 なかでも、今回注目したのが彼の走力です。メジャーにはスカウトがチームに報告するスカウティングレポートというのがあります。走力でいうなら、10刻みで一番下が20、最高が80となっているのですが、大谷の走力の評価は70です。これまでの日本人メジャーだと松井稼頭央クラスに匹敵します。より具体的にいえば、左打者で打ってから一塁到達までの時間は、標準で4.2秒。それが大谷は3.9秒と速い。つまり、日本ならアウトになるボテボテの内野ゴロも、天然芝で打球の勢いが殺されるメジャーの球場なら内野安打になります。

 もし彼が今、メジャーで打者としてプレーしたら......レギュラーとしてケガなくやることができればトリプルスリーだって夢じゃないと思います。純粋な打力だけなら打率は2割8分程度かもしれないですけど、そこから2分ぐらいは足で稼げる可能性がある。もちろん、30盗塁も現実的な数字です。あくまで打者に専念したという仮定の話ですが、大谷はそれだけの選手です。

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