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米国スカウトが見た、大谷、筒香、山田、
千賀、イチローのWBC戦力度 (4ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘、田口有史●写真 photo by Koike Yoshihiro、Taguchi Yukihito

2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人2年連続トリプルスリーを達成した山田哲人

●山田哲人(ヤクルト)

 山田を評価するのは、単に2年連続トリプルスリーを達成しているからではありません。彼は、日本のチーム力で戦うスタイルを象徴している選手だからです。「打つ」「守る」「走る」とそれぞれひとつずつを取れば、山田以上の選手はメジャーにいくらでもいます。ただ、それらすべてに高いポテンシャルを持ち、まだまだ眠っている能力を加味すれば、山田ほど魅力的な選手はいません。

 かつて井口資仁(現・ロッテ)がメジャーで中軸選手として活躍しましたが、それに匹敵するだけの能力を持っていると思います。今、アストロズにホセ・アルトゥーベというセカンドがいますが、たとえば山田のスカウティングレポートは「アルトゥーベにスピードを加え、パワーを少し引いた選手」という表現でチームに報告するでしょうね。

 代表で山田が何番を打つかはわかりませんが、テーブルセッター(後続やチームの中心打者に得点のチャンスを提供する選手)として、あるいは走者を還す中軸として、どちらでも力を発揮できるタイプ。それが山田の真価を最も表すポイントだと思います。

 彼のバッティングの特長は、ポイントが近いから少々動く球でも対応でき、初めて対戦する投手でも体が反応できるところです。ただ、今回の強化試合は、実戦から遠ざかっていたからなのか、反応が鈍くなっていた気がします。山田は手でタイミングを取り、左足で間を取るタイプなのですが、この強化試合ではそれができていなかった。

 それは、相手が初めて対戦する外国人の投手だからというわけではなく、単純に山田自身の感覚が鈍っていたからだと感じています。おそらく(本戦が行なわれる)3月は問題ないでしょう。慣れないサードの守備や滑るボールへの対処はやや不安を抱かせましたが、山田ほどの潜在能力のある選手なら、本番までにきっちり適応してくるはずです。

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