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問題だらけの強化試合。小久保ジャパンは
いったい何を「強化」したのか (2ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 千賀にいたっては、決め球である直球、フォークがいずれもボールの影響で制球できず、初戦は2回2失点。"追試"となった2度目の登板(第4戦)ではアウト3つを三振で取ったが、1イニング3暴投と不安を残したまま終えた。

 4戦目の石田、田口も終始、制球がつかず、このままではとても最終メンバーに加えられる内容ではなかった。

 結果、先発候補と言われている8投手で被安打31、23失点。全体でも29失点とひどい内容だったが、その大半が先発組というところに深刻さを感じた。

 無論、小久保監督とすれば初選出の投手たちに雰囲気と滑る使用球を経験し、慣れてほしいという考えもあっただろう。だが、結果としてメキシコとの初戦を落とし、オランダとの2試合はいずれも苦戦を強いられた。

「所詮は練習試合。負けてもいいじゃないか」という意見もあるだろう。しかし、テストだからこそ、勝ちにいくなかでの試みに意味がある。

 以前からジャパンは、こうした強化試合は投手にあらかじめ投げるイニング数を伝え、1試合で何人使うかを定める傾向が強い。投げる立場としてはその方が楽だ。しかし、強化試合だからこそ"想定外"を想定し、実戦的な継投をテストすべきではなかったか。

 この4試合でイニング途中の継投はひとつもなかった。だからだろうか、権藤博投手コーチがマウンドに行ったのは、投手交代のときだけ。間を取ることも、指示の確認もなく、ただ投手に任せた試合運び。権藤コーチらしいといえばそれまでだが、そんな「申し合わせ」だけの継投で、わずかなミスも許されない本番をはたして乗り切れるのかどうか、不安でならない。

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