ルーキー戸柱の抜擢で、DeNAのワースト捕手陣に劇的改善の予感 (4ページ目)
オープン戦に入っても打撃面ではコンスタントに結果を残し、守備面では難しいワンバンを止め、走者の盗塁を許さず、牽制で刺殺し、主戦級の投手たちとの呼吸も上々。ラミレス監督が「寝る時に戸柱の顔が浮かんでくる。悪夢だ」と発言するくらい、日を追うごとに存在感を増していった。
遠隔操作のサインが出されていたリード面でも、今季の課題とされたインコースを果敢に攻めるリードで信任を得た。最後にはラミレス監督もほとんどサインを出さなくなっていたという。
これは、期待するなというほうが無理な相談だが、光山コーチはこんなことも言っていた。
「理想は、巨人の阿部のようにひとりいれば成立する正捕手がいて、あとは控えと2人体制でいけること。でも現時点では、『今日の試合、誰を使ったら勝てる確率が高くなるか』という観点から判断をしていくことにもなる。誰が正捕手になっているか、本当のところは1年経ってみないとわからんて」
黒羽根、髙城、嶺井。昨シーズン、前半戦首位から後半戦最下位に落ちるという悪夢と、暴投の日本最多タイ記録という屈辱にまみれた3人の捕手。今年にかける強い思いを持ち、宜野湾キャンプで連日の居残り練習に身を投じていた彼らの姿を見ていると、正捕手争いがこのまま終わるはずはないと思えてくる。
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