ルーキー戸柱の抜擢で、DeNAのワースト捕手陣に劇的改善の予感 (6ページ目)
戸柱に次ぐ2番手の位置にいるのは、キャンプ前の段階で「最も正捕手に近い」と言われていた5年目の髙城俊人(22歳)。光山コーチの指導で改良されたスローイングがハマって調子を上げたが、バットを振ることもキツくなるくらい右ヒジが悲鳴を上げていた。それでも練習をやめなかったのは、今年にかける意気込みがあったからだ。
「僕自身、期待をかけてもらいながらレギュラーを掴みきれずにここまできてしまいました。もう大きいことは言わないし、誰に何を言われても期待しない。力をつけていけば必然的にそこにいけると信じています。
僕はワンバンを止めることには誰にも負けません。体で止めてアザができたのを見ると、チームを守った勲章みたいで誇りに思えるんです。スローイングは光山さんに教えてもらったものが自分にハマってくれたので、あとはバッティング。昨年はちょっと悪くなると焦って結果を欲しがってしまった。今年はもう同じ失敗は繰り返さないですよ」
髙城は、日の暮れた宜野湾で続けて口にした。
「昨年は本当に悔しい思いをしました。今年は第三者が見て『DeNAのキャッチャー陣は変わったな』って言われるようになりたいですし、ならなきゃいけないと思っています」
25日に開幕を迎えた今年のペナントレース。開幕戦でマスクを被った戸柱は見事に投手陣をけん引し、相手の広島打線を1点に抑えてラミレス新監督に初勝利をもたらした。この活躍に、ほかの捕手たちが奮起しないはずがない。ベイスターズの正捕手争いはここからが本番。今年の秋にはどんな結末が待っているのだろうか。
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