サッカー日本代表に失われたスタイルの議論 健全だった2018年のハリル解任劇を振り返る
連載第73回
杉山茂樹の「看過できない」
ワールドカップイヤーに突入した。本番まで残された時間は約5カ月だ。テストに充てられる残された試合も、3月に行なわれるイングランド戦など2試合と、5月31日に国立競技場で行なわれる壮行試合の計3試合しかない。
だが、この5カ月間に調子を上げる選手もいれば、下げる選手もいる。チーム力もそれによって上下する。ここから右肩上がりを示すか否かによって、ワールドカップの成績も左右される。森保ジャパンはどうなのか。
日本代表は1998年大会から7度連続でワールドカップ本大会に駒を進めているが、総じてワールドカップイヤーに入ると右肩下がりを示す傾向が強い。顕著な例は2006年ドイツ大会に臨んだジーコジャパンと、2014年ブラジル大会に臨んだザックジャパンだ。半年前にチームはほぼ出来上がった状態にあった。伸びしろのないまま本大会に突入。いずれもグループリーグ最下位という残念な結果に終わった。
2018年、日本代表は西野朗監督のもとでロシアワールドカップを戦った photo by JMPA しかし、実際に交代劇に発展したのは2018年ロシア大会を目指したハリルジャパンだった。本大会の2カ月前に監督の座は西野朗監督にすげ替えられた。
だが、2018年は決勝トーナメントに進出。騒動に発展したほうが好成績を残すとは、皮肉な結果と言うべきだろう。
そんな過去からも、波風が立たない森保ジャパンが心配になる。現在、監督交代を叫ぶ人は皆無に等しい。だが、これからの5カ月は短いようで長い。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

