坂本花織の「銀メダル以上」に立ちはだかるアメリカの世界女王とロシアの18歳【ミラノ・コルティナ五輪】
ミラノ・コルティナ五輪 フィギュアスケート展望 女子編
ミラノ・コルティナ五輪に出場する(左から)坂本花織、中井亜美、千葉百音 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る
【坂本花織を成長させた「意味のある負け」】
現役ラストシーズンの大舞台、ミラノ・コルティナ五輪に向け「個人と団体でともに銀メダル以上」との目標を宣言している坂本花織(シスメックス)。
例年よりスロースタートだった今季、6試合を終えて1位3回で2位2回、3位1回と、坂本としてはやや不安定な結果になっているが、敗れた試合も本人は「意味があるもの」と捉え、次へのステップにしてきた。
シーズン初戦となった9月のチャレンジャーシリーズ(CS)木下グループ杯では「マイペースで練習をしすぎた」と、ミスが出て203.64点で、千葉百音(木下グループ)に13点弱の大差をつけられる2位だった。GPシリーズ・フランス大会では224.23点に上げたが、シニアデビューの中井亜美(TOKIOインカラミ)が227.08点を出し、2位に終わった。
「ハイレベルすぎだと思ったけど、シーズン序盤に220点台で勝てない経験ができたのは自分にとってもすごく大事だった。自分が2位になる時は本当に意味のあることが多い。取りこぼしもあったので、『気を抜いている場合とちゃうぞ』と気持ちが引き締まりました」
こう話す坂本は、11月のNHK杯ではスピンの取りこぼしをしっかりと修正。ジャンプはショートプログラム(SP)、フリーともにわずかなミスが1本ずつあったが、合計は今季世界最高得点となる227.18点にして優勝した。
その後のGPファイナルは試合へ向かう気持ちをうまくコントロールしきれず、SPで3回転ルッツが2回転になる想定外のミスがあって出遅れ、フリーで追い上げたが総合3位にとどまった。だが、全日本選手権では、ジャンプの課題を残しながらも、合計を234.36点にして優勝。精神力の強さを見せた。
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著者プロフィール
折山淑美 (おりやま・としみ)
スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

