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坂本花織の「銀メダル以上」に立ちはだかるアメリカの世界女王とロシアの18歳【ミラノ・コルティナ五輪】 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【中井亜美、千葉百音にもメダルの可能性】

 順当にいけばこの3選手の表彰台争いになるだろうが、今季シニアデビューの中井もフランス大会で227.08点の高得点をマークしているだけメダルの可能性を秘めている。カナダ大会は203.09点で3位、全日本選手権は213.56点で4位とプレッシャーのあるなかで力を出しきれなかったが、GPファイナルは合計220.89点で2位と結果を引き寄せる力を持っている。

 初めての五輪のプレッシャーに、挑戦する気持ちで打ち勝てばメダル争いに加わることもできそうだ。

 2回目の出場だった昨季の世界選手権で3位になった千葉は、CS木下グループ杯で坂本を破って優勝したあとも、GPシリーズ2試合ともに217点台と安定感を見せて2勝。だが、ポイントランキング1位で進出したGPファイナルは、結果を求められる大きなプレッシャーのなか、SPは自己ベストの77.27点で1位発進しながら、フリーでは前半の2本のジャンプでミスをして総合5位に落とす悔しい結果になった。

 それでも2週間後の全日本は落ち込んだ気持ちを立て直して合計216.24点の3位になり、五輪代表の座を勝ち取った。

 千葉のGPファイナルの結果を見れば、前半の3回転ループと3回転サルコウがダウングレードの転倒となったなかでも合計210.22点というのは、実力がある証拠でもある。その2本のジャンプが自己ベストを出したカナダ大会と同じような出来にできれば、220点台中盤を出す力は持っている計算になる。

 GPファイナルで味わった屈辱と、そこから短期間で気持ちを立て直した全日本の経験で、精神面も強くなってきているはずだ。ひと皮剥けた姿を五輪でも存分に発揮すれば、中井とともに表彰台争いに食い込める可能性もある。

 ミラノ・コルティナ五輪のフィギュアスケートは、女子シングルが最終戦。その9日前に終わる団体戦でメダルを獲得して勢いをつくれれば、3人は上位争いを繰り広げられるはずだ。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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