ケガにも負けず。中日・山本昌「目標は岩田鉄五郎」 (6ページ目)
「これまでに何度も野球の神様に助けてもらってるのでね……それは、いいことばかりじゃなくてね、勝てなかったときも、ケガをしたときも、あとから考えれば、 ああ、あれでよかったんだなと思えることが多いんです。で、苦しいところを乗り越えると、200勝とか、球団記録とか日本記録とか、数字が目の前に迫ってきてくれて、それにも助けられた。今度も世界記録でしょ。そうやって偶然が偶然を呼ばなければ、とても50までなんて、野球できませんからね」
このケガで、開幕ローテーション入りは厳しくなった。ただ、思えば山本昌が開幕に間に合わせなければならない理由はなかった。モチベーションを保つための目標として必要だったというのは理解できるが、だから野球の神様が「そんなに急がない方がいい」と軽くブレーキを踏んだのかもしれない。ならばこのケガも今の山本昌には必要な減速だと、野球の神様が考えた末の試練なのだ。
そうに違いないと、今は思いたい――。
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