ケガにも負けず。中日・山本昌「目標は岩田鉄五郎」 (2ページ目)
初球を先頭の赤坂和幸にセンター前へ弾き返されたものの、その後は平田良介、アンダーソン・エルナンデスといったバッターを相手に、次々とゴロを打たせた。打者7人に18球を投じ、フォアボールなし、ヒット1本――上々の試運転だ。
「カーブを、手を振って曲げる。ストレートを、手を振ってコーナーに決める。まっすぐはいい角度で入ってましたし、手の出どころ、角度も悪くない。まだ腰高で沈み切れていない部分はありましたけど、それはゲームで投げていくうちに解消されていくと思います」
今の山本昌がこだわっているのは、腕をタテに振ることだ。
そのためには、ストレートとカーブがいい。
だから山本昌はブルペンでもマウンドでもストレートとカーブを投げて、腕の振りがタテになっているのかを確かめている。
それは、去年の失敗があったからだ。山本昌は1年前のこの時期、カットボールを覚えようとしていた。それが彼にとっては"禁断の球種"であることも十分わかっていながら、新球に挑戦したのだ。結果的には、それが裏目に出た。
「スライダーっていうのは、関西弁のような感じでね(笑)。周りで関西弁を喋られると、そのうち、うつってしまうでしょ。スライダーも、投げ過ぎるとフォーム がスライダー寄りになってしまう。スライダー系のボールって、ヒジが下がるんです。曲げようとすると手首が寝るし、腕が遠回りをする。そうするとスライダーは曲がるんですけど、ストレートに悪影響が出ちゃいます」
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