福島良一が選ぶ「2014年メジャーリーグ10大ニュース」 (5ページ目)
ただ唯一、コーファックスを越えられていないのは、いまだワールドシリーズを制していない点でしょう。コーファックスは2度、ドジャースを世界一に導いています。今年もカーショウはプレイオフで打たれてしまい、リーグチャンピオンシップシリーズで敗退してしまいました。ぜひとも来年こそは、チャンピオンリングを手にしてもらいたいと願っています。
【第6位】 キューバ人スラッガーがメジャーリーグを席巻
近年のキューバ人スラッガーの活躍には目を見張るものがあります。2012年にはアスレチックスに入団したヨエニス・セスペデス(現タイガース)が打率.292・23本塁打・82打点と大暴れし、ア・リーグ新人王投票で2位。2013年はドジャースからヤシエル・プイグが彗星のごとく現れ、史上初のデビュー月で月間MVPを受賞。そして今年は、シカゴ・ホワイトソックスのホセ・アブレイユがルーキーイヤーで打率3割・30本塁打・100打点以上をマークし、満票で新人王を獲得しました。
キューバから亡命したスラッガーが次々と活躍していますが、今年のアブレイユは特にすごかったです。ア・リーグ5位の打率.317、3位の36本塁打、4位の107打点の数字もさることながら、特筆すべきはリーグトップの長打率.581でしょう。新人での長打率1位は、史上3人目の快挙です。
そして2015年には、次なるキューバ人スラッガーも控えています。11月27日、ダイヤモンドバックスが今年6月に亡命したヤスマニー・トマスという24歳の外野手と、6年総額6850万ドル(約81億円)で契約合意しました。これは亡命キューバ人選手史上、最高金額です。
近年のメジャーリーグ各球団は、「キューバ人スラッガー」と「日本人ピッチャー」という、ふたつの新勢力に注目しています。ますますメジャーを席巻しそうな勢いなので、今後も目が離せません。
著者プロフィール
福島良一 (ふくしま・よしかず)
1956年生まれ。千葉県出身。高校2年で渡米して以来、毎年現地でメジャーリーグを観戦し、中央大学卒業後、フリーのスポーツライターに。これまで日刊スポーツ、共同通信社などへの執筆や、NHKのメジャーリーグ中継の解説などで活躍。主な著書に『大リーグ物語』(講談社)、『大リーグ雑学ノート』(ダイヤモンド社)など。■ツイッター(twitter.com/YoshFukushima)
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