福島良一が選ぶ「2014年メジャーリーグ10大ニュース」 (2ページ目)
上記の中でも特に素晴らしい実績は、やはり戦力の均衡化でしょう。その結果、21世紀に入ってからは1回もワールドシリーズを連覇したチームは出て来ていません。2003年以降は全30球団中、28球団がプレイオフに出場しています。実力の拮抗した戦いが演じてられてきたからこそ、メジャーリーグは人気を回復できたのでしょう。
そして、セリグのもうひとつの功績は、メジャーリーグの総収入を急増させたことです。テレビ局と巨額契約を結び、今年の放映権料は年間7億8830万ドル(約930億円)。1995年のメジャーリーグの総収入が14億ドル(約1414億円・当時)だったのに対し、20年後の2014年には過去最高額となる90億ドル(約1兆800億円)に達しました。6倍以上も収益を増加させた手腕は、さすがとしか言いようがありません。
セリグは来年1月に退任し、第10代コミッショナーにはMLB最高執行責任者のロブ・マンフレッドが就任する予定です。約22年間にもおよぶセリグの長期政権の終焉は、大きなひと区切りだと感じます。
【第9位】 日本人メジャーリーガー誕生から50周年
今年は、1964年に「マッシー」こと村上雅則投手が日本人メジャーリーガー第1号としてデビューしてから、ちょうど50周年のメモリアルイヤーでした。まず、5月15日にはサンフランシスコのAT&Tパークで、50周年を祝うセレモニーが開催。そして日本でも、村上投手がメジャーに初登板した9月1日に合わせて、東京で盛大なパーティが行なわれました。
この50年間で、様々なことが変化しました。1964年当時、メジャーリーグは全20球団。まだ地区制ではなく、両リーグに分かれた各10チームがリーグ優勝を争い、ア・リーグの覇者ニューヨーク・ヤンキースと、ナ・リーグの覇者セントルイス・カージナルスがワールドシリーズを戦いました。それが、今では全30球団で争い、ポストシーズンも長期化しています。
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