【夏の甲子園2025】連覇に挑む京都国際、昨夏の優勝を知る選手たちが吐露していた苦悩「自信をつけたつもりが...何も変わっていなかった」
今夏の京都大会決勝戦。昨年夏の王者・京都国際は鳥羽との息詰まる接戦をサヨナラ勝ちで制し、昨年につづき甲子園出場を決めた。校歌斉唱の間、涙が止まらないエース・西村一毅の姿を見た小牧憲継監督はこう語った。
「あれが西村の成長ですよ」
西村は昨夏の甲子園で、4試合計24イニングを投げ、防御率0.00という圧巻の投球で日本一に大きく貢献した。決勝の関東一戦でも、最後のマウンドを守り抜き試合を締めた。性格はつかみどころがなく、昨夏の甲子園での取材時も、独特の間合いでインタビューに応じていた。
苦しみながらも京都大会を制した昨年夏の甲子園優勝投手、京都国際の西村一毅 photo by Sawai Fumiこの記事に関連する写真を見る
【同じパターンでの敗戦】
新チームになると、西村には「甲子園優勝投手」という看板が常につきまとった。本人は「特に意識はしない」と語っていたが、鋭く落ちるチェンジアップを武器にした投球も相まって、注目度は絶大だった。しかし昨秋の府大会では、3回戦で京都外大西に延長タイブレークの末に2対3で敗戦。全国制覇からわずか1カ月後のことだった。
長い冬を経て、「やれることはやってきた」という自負を胸に臨んだ今春の府大会。しかし、1回戦で龍谷大平安に0ー1で敗れ、夏のシード権も逃してしまった。
昨秋の公式戦後、西村はフォームの再構築に取り組み、冬場は体づくりにも時間をかけた。体幹は強さを増し、4月に行なわれたU−18高校日本代表候補強化合宿でスライダーを習得。ピッチングの幅を広げたはずだった。
小牧監督が振り返る。
「子どもたちには『先輩たちのようにやらなくても、自分たちのよさを出せばいい』と言ってきたんです。ただ、この学年はもともと気持ちをあまり表に出さない子が多く、何を考えているのかわかりにくいところがありました。それ以前に、秋も春も同じような負け方をしています。西村が好投しても打線の援護がない。まったく同じパターンで負けているということは、成長できていない証拠です」
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著者プロフィール
沢井 史 (さわい・ふみ)
大阪市出身。関西のアマチュア野球を中心に取材活動を続けるスポーツライター。『ベースボールマガジン』『報知高校野球』などの雑誌や、『スポーツナビ』などのweb媒体にも寄稿。2022年7月には初の単著『絶対王者に挑む大阪の監督たち』(竹書房)を出版。共著としても8冊の書籍に寄稿している。




























