原石の宝庫・青森大からまたドラフト候補。驚異の身体能力を誇る名原典彦はプロにたどり着けるか

  • 菊地高弘●文・写真 text & photo by Kikuchi Takahiro

育成でもプロに行きたい

 俊足に加え、遠投距離が「高校時代に120メートルのフェンスを越えて計測不能になって、『125メートルくらいだね』と言われた」という強肩もある。現時点でプロ3球団からの調査書が届き、「育成(ドラフト)でもプロに行きたい」と名原は語る。

 課題は精度の低い打撃になるだろう。取材日の打撃練習でも胸のすく快打を放ったかと思えば、甘いボールを打ち損じるシーンも目立った。名原は「自分の懐に呼び込む技術がまだまだ」と自己分析する。

 とはいえ、打撃フォームに変なクセがあるわけでなく、三浦監督は「身体能力が高いので、プロの指導を受けて化ける可能性は十分あります」と希望を口にする。また、右の野手はプロ側からの需要が高いという追い風もある。名原は「足を生かして、チームを盛り上げるプレーをしたいです」とアピールした。

 青森大の練習を眺めていると、名原以外にも能力の高い選手が次々に目に飛び込んできた。そのたびに三浦監督はニッコリと笑って、選手について説明してくれた。

「あいつは庄司(陽斗/3年/聖和学園)というサウスポーで、この秋はヒジの故障で投げられなかったんですけど、ちょっとモノが違いますよ。来年の春には万全になって、ドラフト候補になってくれると思います」

「あの鋭いスイングをしているのは西川(侑汰/3年)で、青森明の星という共学化されて間もない高校出身です。忍者みたいにすばしっこいヤツですよ」

「ショートの今野(瑞暉/3年)は東京の堀越出身で、体ができてきてすごく成長しましたよ。すでに社会人からもお声がけいただいています」

 主力級はもちろん、出場機会の少ない選手やBチームの選手、マネージャー、スタッフに至るまで、三浦監督は一人ひとりの長所を事細かに語った。こんな温かい目線に見守られていることも、青森大の選手が育つ一因なのかもしれない。

 10月20日のドラフト会議まで、あと1カ月をきった。北東北大学リーグを代表するスプリンターは、己の肉体に磨きをかけながら吉報を待つ。

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