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大阪桐蔭の控え外野手が大学野球で鮮烈デビュー。国士舘大・山下来球のセンス溢れるプレーに驚き (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

"控え"というのは対外試合での立場であって、大阪桐蔭の選手たちは、毎日のように日本屈指の強豪校との実戦と重ねている"レギュラー"たちばかりなのだ。

 ならば、甲子園で2ケタの背番号でも、腕利き揃いなわけだ。

じつは、昨秋の明治神宮大会の時から、私は大阪桐蔭の背番号12の捕手・工藤翔斗が気になってしかたなかった。

背番号2・松尾汐恩とともにシートノックで動く姿に見ながら、ほかのチームならバリバリのレギュラーだろうな......と思った。

レガース、プロテクターを身につけたユニフォーム姿に、腰を割った姿勢からコンパクトな腕の振りで二塁ベースに糸をひくスローイング。ブルペンで受ける姿も「捕手」そのものだった。

その工藤がこの春のセンバツ、市立和歌山戦に出場して、当たり前のような落ち着きでマスクをかぶり、ホームランまで打ったから驚いた。

そりゃ、本人はうれしかったはずだが「オレだって、普通にこれくらいやりますよ......」みたいなフラットな抑えた感じの表情と雰囲気が、「大阪桐蔭の控え選手の矜恃」のように見えていた。

 工藤だって、きっと愛知の中学時代は、ちょっとは知られた捕手だったのだろう。いま、そんな「大阪桐蔭の控え捕手」という存在がすごく気になっている。

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