大会No.1投手は誰か。山本昌の「レジェンド・レポート」2022センバツ編 (12ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

コロナにより出場辞退となった京都国際のエース・森下瑠大コロナにより出場辞退となった京都国際のエース・森下瑠大この記事に関連する写真を見る森下瑠大(京都国際/179センチ・76キロ/左投左打/出場辞退)

昨夏から高く評価させてもらっており、最上級生となった今春の成長を楽しみにしていた左腕でした。今大会は残念ながら出場辞退でしたが、昨秋の映像を元に分析させてもらいました。彼の評価ポイントは、やはり投球フォームのよさ。バックスイングをとる際に左手をかなり下まで落としますが、トップに上がってくるまでの十分な間(ま)をつくれています。だからいい角度で投げられて、真っすぐも変化球も球質がいい。ラインもしっかりしているので、コントロールも安定しています。球速が乏しいことを不安視する声もあるようですが、私はまったく気になりません。勝つことにかけては、彼の世代で右に出る者はいないのではないでしょうか。センバツ辞退から気持ちを切り替えるのは大変でしょうが、ぜひ夏の甲子園で見たいです。欠点らしい欠点がなく、順調に成長すればプロでも十分通用する投手でしょう。

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 今大会は人材不足という声も聞きましたが、こうして一人ひとり分析させてもらうと将来楽しみな人材ばかりでした。今回見た12人のなかでは、やはり森下くん(京都国際)の技術とフォームの完成度の高さが際立ちました。あとは山田くん(近江)、冨田くん(鳴門)、大野くん(大島)も自分がスカウトなら推したい投手ですね。山田くんの馬力と角度、冨田くんの完成度、大野くんの将来性が目を惹きました。

 彼らの順調な成長と無事を祈りつつ、夏にはまた新たな好投手との出会いを楽しみにしています。

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