大谷翔平の兄が都市対抗出場。苦難の野球人生からドームの主役になる (3ページ目)
その決断から7年、大谷はやっと全国の舞台に立つ。
時を同じくして、弟がメジャーに挑戦したのも不思議な巡り合わせといえるだろうか。
ご存知の方も多いと思うが、大谷の弟はアナハイム・エンゼルスでプレーする大谷翔平である。兄・龍太が7歳離れた弟を語る。
「翔平の幼少期のことをよく聞かれるんですけど、僕は僕で野球をやっていましたし、7歳違いますからね、正直あまり一緒にいる時間がなかったですし、一緒に野球をやることもなかったんです。だから、花巻東時代の翔平の試合を見たのも1回だけ。その唯一の試合が高校最後の夏、岩手県大会決勝で負けた試合でした」
兄弟ゲンカをする年齢差でもなかったし、同じ時間を共有することもほとんどない。それでも、兄にとっての弟は可愛い存在。だから、弟の話をされても「ぜんぜん嫌だと思ったことはないですよ」とサラッと言う。
「家に帰ってくれば、ただの普通の弟なんですけどね。でも今は、メジャーリーガーになっちゃったので、テレビを見ていると不思議な感じです。家族ではありますけど、いちファンとして応援しています」
打順は長らく4番を務めていたが、今夏の都市対抗東北二次予選前から1番に定着した。
「1番になったからといって、自分のスタイルを変えるつもりはありません。僕は長距離砲ではないので、ツーベース、スリーベースヒットを打てるバッターをこれからも目指していきたい。東京ドームでも、自分のスイングをしたいですね」
プレッシャーはない。「自分たちの野球をやるだけ」と言う大谷は、1回戦(東芝戦)の7月17日、自身初となる東京ドームの打席を迎える。
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