2018.07.16

清宮を全直球で空振り三振。
「遠回り」独立リーガーの潜在能力がすごい

  • 菊地高弘●文・写真 text&photo by Kikuchi Takahiro

 清宮幸太郎(日本ハム)のバットがなかなかスムーズに出てこない。

 スピードガンの数字は141~146キロほど。今はファーム調整中とはいえ、一軍でも場数を踏んだ清宮にとって、決して驚くようなスピードではないはずだ。それなのに芯で捉えるどころか、まともにフルスイングができない。明らかにタイミングがつかめていないようだった。最後は144キロのストレートを空振りして、三振に封じられた。

今季、徳島インディゴソックスに入団した鎌田光津希 清宮から三振を奪った投手は、NPBの選手ではない。日本ハム(二軍)との交流試合に出場した四国アイランドリーグplus選抜の鎌田光津希(かまた・みずき/徳島インディゴソックス)である。敬愛大から今季入団したばかりの22歳。NPBスカウトもその動向に注視するドラフト候補だ。

「やっぱり清宮くんはオーラがありましたね。でも、個人的にはああやって開いて構える(オープンスタンス)バッターって、逆に投げやすいんです。インコースが甘く入るとスパンと持っていかれるイメージがあるので、そこだけ注意して投げました」

 清宮に投じた6球はすべてストレート。清宮の直前には、イニングの先頭打者である高卒2年目・今井順之助も全球ストレートで空振り三振に仕留めている。大げさに言えば、146キロのストレートが捕手のミットに収まってから今井のバットが回るような、そんな完膚なき三振だった。

 鎌田は「1イニング目は、基本的に真っすぐだけでどこまで通用するか試してみました」と語ったように、オールストレートで2三振を含む打者3人で抑えた。鎌田のストレートには、ある秘密がある。それは時折、打者の手元でカットボールのように鋭く変化するのだ。清宮や今井が打ちにくそうにしていた理由はこのクセ球にある。

「本当はきれいな真っすぐを投げたいんですけど、これも持ち味なので。打ちづらそうにしていたので、まあいいかなと思います。今は曲がったり曲がらなかったりなんですけど、いずれは意図して投げ分けられるようにしたいですね」