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「九州の清宮」九州学院・村上宗隆が捕手として急成長している! (4ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • 大友良行●写真 photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そして高い送球能力とともに好感が持てるのは、ひとつひとつのプレーを丁寧にこなそうとする意識が見えることだ。投手への返球もそうだし、内外野に細かい指示を送っている。それもベンチからの指示があったから、型どおり「やりましたよ……」という曖昧なものではない。自分の意思と判断で、野手がそのポジションに動くまで指示を出す。上級生に対しても遠慮がない。すでに“扇の要”としてのリーダーシップが感じられる。

 捕手として、ディフェンスをまっとうしようとする態度は、強打の捕手にありがちな「打って返せばいいんだろ」という傲慢さがない証拠だと言える。バッティングが優れているに越したことはないが、やはり捕手というのは守備力が最優先のポジションだ。

 ここ数年、高校生捕手がドラフト1位に指名されたのは、森友哉(大阪桐蔭→西武)ただ1人。彼の場合は、そのずば抜けた強打を評価されての指名だった。

 強打とディフェンス力をともに評価されて高校生捕手が1位指名されたのは、2005年の炭谷銀仁朗(平安→西武)まで遡(さかのぼ)らなければならない。

 この先、フットワークと身のこなしをさらに軽快なものにして、バッテリーを組む投手たちを日頃から気遣える内面を根気よく持ち続けることができれば、清宮に勝るとも劣らない“怪物の卵”として、真の意味でドラフト1位の高校生捕手誕生が現実味を帯びてくる。

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