メダル獲得も突貫工事だった萩野。
中間トレーニングで完全復活は間近 (3ページ目)
萩野は今シーズンも冬場に体調不良で泳げない時期があった。そこから今大会までやれるだけのことはやってきたと思うが、それでも時間は十分ではなかっただろう。その中で、今大会やっと身体の状態が整い、泳ぎの感覚が戻って来たと感じられたことで、今後、じっくり時間をかけてトレーニングが積めれば、チェイスへの逆転も可能だ、という手応えを感じているのだろう。
もうひとつ嬉しそうだった理由がある。
それは日本で行われた今大会の会場からの熱い声援だ。オリンピック金メダリストで数々の国際大会を経験している萩野にとっても、日本で行われる主要国際大会は初だった。会場の演出による盛り上げ、そして満員の観客の皆さんから送られる声援はとても温かく、会場は連日素晴らしい雰囲気だった。それを肌で感じた萩野は、「泳いでいて楽しかったです。水泳っていいな、スポーツっていいなって思いました」と語ってくれた。
2年後に行われる東京オリンピックに向け気持ちが高まったのは彼の表情からも見て取れた。2年後どんな自分でありたいかという問いには、「どんなプレッシャーも受け止められる、そんな強さを持って挑みたい」と答えてくれた。ここから萩野がどんな上昇気流を描いていくのか楽しみだ。
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