2018.08.14

北島康介が日本の平泳ぎを託した男、
渡辺一平の底力をパンパシで見た!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 パンパシフィック水泳選手権最終日、200m平泳ぎを制したのは、世界記録保持者の渡辺一平(早大)だった。初日の100m平泳ぎでは、小関也朱篤(やすひろ/ミキハウス)が2連覇を達成したが、2大会連続の2冠は阻止した。

 200mの予選で2分12秒15の6位と、渡辺には勝機がないように思えた。しかし、予選は彼にとっては予定どおりのレースだったという。

今の自分にできることを出し切った結果200m平泳ぎで優勝を果たした渡辺一平「いい練習が積めてないという自覚はあったし、2本泳げる力が今の僕にないことはわかっていたので、できる限り力を使わず感覚重視を心がけて泳いだ」

 身長193cmの長い手足を生かした大きな泳ぎを武器にする渡辺は、初代表だった16年リオデジャネイロ五輪では、準決勝で五輪新(2分07秒22)を出しながら、決勝では6位と悔しい思いをした。その半年後、渡辺は17年1月には東京都選手権で2分06秒67の世界記録をマークして優勝を飾っている。

 しかしその後は振るわず、4月の日本選手権ではラスト50mで小関に逆転されて2位、8月の世界選手権でもアントン・チュプコフ(ロシア)と小関を捕らえきれず3位。メダルを獲得して世界記録保持者としての面目は保ったものの、頂点には立てず、ここでも悔しさを味わった。

 また今季は、昨年末からのケガの影響もあって4月の日本選手権では記録が伸びず、またしても小関に敗れた。続く6月のヨーロッパグランプリのバルセロナ大会、モナコ大会では連勝して調子を取り戻していたが、その後6月下旬から2週間発熱。練習を積み重ねることができなかったため、この大会は決勝の一発にかけていたのだ。