2018.08.13

世界記録も射程圏内。
18歳・池江璃花子はまだまだ進化できる!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真photo by Tsukida Jun

 池江璃花子(ルネサンス)がパンパシフィック水泳選手権で、優勝を狙っていた種目の女子100mバタフライで、堂々の泳ぎを見せた。

 午前中の予選は、大会新の56秒90で1位通過。池江自身も世界トップに一番近い種目と考えて今大会に臨んでいた。「金メダルを獲りたい」という思いもあって、レース前は緊張と不安に襲われていた。

目標通り、100mバタフライで金メダルを獲得した池江璃花子 今年の池江は、日本記録を何度も塗り替え、6月には昨年の世界選手権3位相当の56秒23まで記録を伸ばしている。さらに、大会初日の混合メドレーリレーでも、スタートのリアクションタイムが普通のレースより速くなるとはいえ、55秒53のラップタイムを出しており、世界でまだふたりしか果たしていない55秒台も視野に入れていた。

 池江は、周囲からの「自分の泳ぎをすればいい」という言葉も素直に受け入れられたという。

「去年の世界選手権では、準決勝が思っていた以上に速かったからいけるんじゃないかなと思いましたが、いざ決勝を泳いでみたら力不足でした。レース前に不安になったりして、自分をネガティブな方向に持っていってしまった。でも、今回は日本開催という環境でリラックスできた部分もあり、自分の泳ぎに集中できた」

 レース前半は体の動きもしなやかで、余裕を感じさせる泳ぎ。折り返しの50mでは、タッチが流れるターンになったものの、通過タイムは25秒89と、サラ・ショーストレム(スウェーデン)が55秒48の世界記録を出したときの通過タイム26秒01を上回った。

「前半は速くて26秒0くらいかなと思っていましたが、そこまでとは思わなかったのでビックリしました。後半のしんどさは異常だったので、たぶん前半は速かったんだろうなとは思っていました。パワーがついてきて、自分の泳ぎをしていても自然にいけてしまうのだと思います。ずっと横を見ながら泳いでいましたが、最後はすごくバテたので『抜かれたらどうしよう』という気持ちでした。隣の選手もバテていたみたいで、そのまま1番でゴールできたのはうれしかったです」