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レース中「迷子」になった大橋悠依。
アクシデント発生も余裕の金 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 平井伯昌コーチも「高地合宿から帰って来て以来、不調を訴えていて、調子が上下していた。この2日間でようやく、まとめられて自己ベストが出るか出ないかくらいまできていたんです。でも、決勝では変な泳ぎをしたので『何でかな?』と思っていたら、ゴーグルに水が入ったと言ってて......。もったいないことをしたなと思います」と苦笑する。

 それでも、レース展開自体は安定していた。今年4月の日本選手権で、自己記録を世界歴代6位の4分30秒82まで伸ばして結果を残している種目だった。

 今回、世界選手権3位のシドニー・ピックレム(カナダ)は出場せず、ライバルになりそうなのは世界選手権200m個人メドレー4位のメラニー・マルガリス(アメリカ)くらいで、持ちタイムを比較しても圧勝しなければいけなかった。

 そんな状況に大橋は、レース前は緊張していたというが、会場に入って観客の大歓声に迎えられると冷静さを取り戻した。ゴーグルに水が入るアクシデントはあったものの、最初のバタフライ50m折り返し直前から抜け出すと、100m折り返しは2位の清水咲子(ミキハウス)を0秒81リードし、背泳ぎではその差を2秒29差に広げた。

 平泳ぎでも清水を抑えると、最後の自由形は2位に上がってきたマルガリスに追い込まれたが、1秒83差をつけて圧勝した。

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