レース中「迷子」になった大橋悠依。アクシデント発生も余裕の金

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田純●写真 photo by Tsukida Jun

 東京の辰巳国際水泳場で開催中(8月12日まで)の"パンパシフィック水泳選手権"は、初日から日本勢のメダルラッシュに沸いた。

 男子100m平泳ぎで小関也朱篤(やすひろ/ミキハウス)が、前回のゴールドコースト大会に続く連覇を達成し、女子200m自由形では、予選7位だった池江璃花子(ルネサンス)が、昨年の世界選手権5冠のケイティ・レデッキー(アメリカ)に競り勝ち、1分54秒85の日本新で銀メダルを獲得した。さらに、男子200m自由形でも松元克央(かつひろ/セントラルスポーツ)が銅メダル獲得と会場は熱を帯びていった。

表彰台の真ん中で笑顔を見せた大橋悠依表彰台の真ん中で笑顔を見せた大橋悠依 そんないい流れのなかで行なわれた、女子400m個人メドレー決勝の舞台には、優勝候補筆頭の大橋悠依(イトマン東進)が出場した。

 結果は4分33秒77で期待通りの金メダルを手にしたが、大橋自身はタイムに不満が残った様子。

「本当は4分30秒台の自己ベストを出したかったし、最低でも大会記録の4分31秒99は出したいと思っていたので少し残念ですね。ちょっと集中しきれなくて、コースのどこを泳いでいるかもよく分からなかったんです」

 その原因は、飛び込んだ時にゴーグルに水が入ってしまったからだった。予選1位通過で決勝は4レーンだったため、選手紹介で出てくるのは一番最後。その結果、スタートまでの時間が短く「準備を少し慌ててしまったのかもしれない」と言う。

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