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坂本花織がラストシーズンに表現する強い気持ち「自分自身のスケート人生を振り返りながら」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao / Dream on Ice 2025

【五輪シーズンの新プログラムを初披露】

 6月27〜29日で3日間4公演が行なわれた『ドリーム・オン・アイス』。昨年につづき全照明が点灯し、6分間練習もある"試合形式"のショーだった。

 多くのスケーターは、ショートプログラム(SP)を演じるなか、坂本花織(25歳/シスメックス)はSPとフリーの新プログラムを初お披露目した。

『ドリーム・オン・アイス』で新プログラムを披露した坂本花織『ドリーム・オン・アイス』で新プログラムを披露した坂本花織

「皆さんがどういう反応をするのかすごく楽しみです。自分自身も大事な五輪シーズン(2025−2026)に、これで戦っていくんだというのをしっかり示せたらと思っています」と、決意表明をした坂本。

 銅メダルを獲得した2022年北京五輪後は自身の可能性を探るため、それ以前とは違うジャンルの曲に挑戦していた。だが、それから3季を経て、昨季最終戦の世界国別対抗戦のあとに坂本は「自分は速い動きが苦手だと感じた。それに気がつけてよかった。来シーズンは自分のスケーティングスキルを見せるプログラムにしたいと思っています」と話していた。

 そんな経緯があっての五輪へ向けた勝負プログラムだからこそ、早く観客の反応を知りたい。そして、認めてもらえていると感じたら自信を持って完成へ向け突き進みたいという気持ちがあったのだろう。そのプログラムはSP、フリーとも「見せたいもの」を明確に伝える内容だった。

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著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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