【箱根駅伝2026】出雲駅伝で全区間5位以内、過去最高の3位に入った創価大は「吉田響の抜けた穴」をどう埋めたのか? (3ページ目)
【全日本、箱根への課題は中間層の底上げ】
出雲では目標をクリアすることができた。ただ、全日本、箱根に向けては、榎木監督も表情を引き締めて、こう話す。
「全日本、箱根と距離も人も増えていきます。出雲を走った6名は、今、ウチで戦える最高のメンバーなので、このメンバーと張り合えるような選手が出てこないといけない。今回補欠になった黒木とか、山瀬(美大・2年)あたりが同等のレベルに上がってこないと全日本の上位も厳しくなってくると思うので、そこに続く選手の強化をして、目標をクリアしていきたいです」
小池も、これからが勝負だと考えている。
「青学大や駒澤大は、これから全日本、箱根となるにつれ、チーム力も調子も上がってくると思います。ウチはまだ中間層の底上げができていないので、そこが不安です。相手にかなわないではなく、ひとりひとりが5秒縮めて、あの選手の前に行くというのを繰り返していくうちに、その差が逆に1分とかのアドバンテージになると思うんです。そこができていけば、残りふたつの駅伝でも目標を達成できるんじゃないかなと思います」
小池は、自らの課題である"襷際"の甘さを克服し、区間順位、タイムを少しでも上げて、チームに余裕をもたらすつもりだ。
スーパーエースがいればラクだが、榎木監督は今のチームスタイルで上位を目指すことも楽しんでいる気がする。出雲では、穴もミスもない堅実な駅伝で3位になった。そして今回、ミスのあった青学大、駒大、中央大は、そういう創価大をやっかいな相手だと認識しているだろう。
著者プロフィール
佐藤 俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)など著書多数。近著に「箱根5区」(徳間書店)。
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