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女子短距離界に新星現わる。
期待の高校生「変化」に気づき、急成長 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 そして、9月の北海道高校新人競技会の100mを11秒83で制したことで、やっと自分の変化に気がついたという。

「その時は向かい風1.3mであの記録だったんです。中学の頃は向かい風になると全然走れなくて、向かい風でこの記録が出るというのは自分が変わったんだなと思いました。中盤からの加速の部分が変わったというか、中学の時とはメッチャ違う走りができているなと思いました」

 9月の国体は、北海道選手選考会で町井に勝ったことで、代表になれたといううれしさも感じながら出場した大会だった。コンディションもよく、自分でもどのくらいのタイムが出るか楽しみだったが、いきなりの11秒6台は驚いた。

「準決勝で11秒66を出していたので、決勝もちゃんと走ればいけるなと思っていましたが、実際に勝ってみると、『まさか』という感じで信じられなかったですね。『本当に勝っちゃった』って。走り幅跳びも自己ベストが5m90だったので、6m超えは難しいかなと思っていたのに6m00を跳べたので。学年別ですが、自分の走りに自信がついたと思います」

 その後、日本ユース選手権の100mも11秒73で制したが、冬期練習からは勝ったことを一度忘れてスタートしようと切り替えた。加えて、練習中の縄跳びで捻挫をして少し休めたことも、気持ちを整理するいい機会になったという。

 御家瀬自身、走りにしっかりと向き合った。

「スタートで手をつく位置も、以前は他の人と同じように広くして速く出ようとしていたのですが、それだと前につんのめってこけてしまうことが多かった。自分が出やすいのが一番かなと思ったし、その方が中盤からの加速もうまくいくのかなと思って変えました」

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