16歳のプロ車いすテニスプレーヤー・小田凱人は、経験を積み重ねて今季飛躍中。全米オープンは「本気で優勝を狙いにいく」 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Getty Images

全米オープンは「絶好調の国枝選手との対戦が楽しみ」

―― 現在、世界ランキングは過去最高の6位。全米オープンは、ストレートインでエントリーされる見込みですね。全米オープンもドローが「16」に拡張すると発表されています。意気込みを教えてください。

小田 本気で優勝を狙いにいきます。今季の前半は経験を積むことが目標のひとつで、後半はそれを結果につなげる必要があります。全米に向けてギアを上げてトップ3の選手にも十分に戦えるような実力を身につけなければいけないし、そうした大きな壁を乗り越える時期が今だと思うので、もっともっと頑張っていきたいですね。いい意味で緊張感を持って臨みたいです。

―― ウインブルドンを制して生涯ゴールデンスラムを達成した国枝選手は、全米オープンでは年間グランドスラムがかかっています。小田選手にとって、国枝選手はどんな存在ですか?

小田 国枝選手を超えることを目標にしているけれど、「本当に強い」「やっぱり強い」ということを、毎回感じます。ウインブルドンの決勝戦なんかを観ていると、本当に自分がそこまでのレベルにいけるのだろうかと、思い知らされますね。でも、もし全米オープンで対戦できたら、絶好調の国枝選手と試合ができるチャンスなので、大きなモチベーションになります。国枝選手と対戦することが、今はものすごく楽しみなんです。

―― レジェンドの存在は大きな刺激になりますね。ところで、16歳の小田選手はプロの車いすテニスプレーヤーであり、通信制高校の1年生でもあります。ハードな毎日だと思いますが、両立はできていますか?

小田 課題やレポートを海外の遠征先でやって、提出して、という感じですが......。間に合ってないし、ものすご~く大変です(笑)。乗り越えなきゃいけない試練、ということで(笑)。

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