安楽宙斗17歳、パリ五輪で1932年以来92年ぶりの快挙へ「実力を出しきれば、金メダルは獲れる」 (4ページ目)
【高校生以下の男子メダリストは、わずか4選手】
「そう言われるとうれしいですけど、自分では登っている時に意識してないことなので。僕にとって大会の重要度は、BJCでもW杯でもオリンピックでも同じ。まずは目の前の1大会、1大会に集中していって、パリ五輪では圧倒的な勝ち方ができるようになっていたいですね。そのために、ひとまず進路志望は保留にしておきます(笑)」
これまでの夏季五輪で10代のメダリストになった日本選手は、男女合わせて21人いる。だが、このうち高校生以下の男子選手となると、わずか4選手しかいない。
1988年ソウル五輪・体操代表の西川大輔氏と池谷幸雄氏、2012年ロンドン五輪・競泳代表の萩野公介氏は、ともに銅メダルを手にした。金メダルを獲得したのは、1932年ロサンゼルス五輪・競泳男子1500メートル自由形に14歳で出場した北村久寿雄氏だけになる。
安楽宙斗はこの夏、日本五輪史に新たな1ページを刻み、そして自身の進路の扉を開けていくことになる──。
<了>
【profile】
安楽宙斗(あんらく・そらと)
2006年11月14日生まれ、千葉県八千代市出身。父の影響により小学2年生からクライミング競技を始める。世界ユース選手権のリード種目で2連覇(2021年〜2022年)するなど世代最強の実力を示してシニアに転向。2023年のワールドカップはボルダーとリード両方で総合優勝を果たし、同年11月にジャカルタで開催されたアジア大陸予選で優勝してパリ五輪への切符を獲得した。身長168cm。ウィングスパン182cm。
著者プロフィール
津金壱郎 (つがね・いちろう)
フリーランスライター・エディター。大阪万博年生まれ。東京都出身。出版社での雑誌やMOOKなどの編集者を経て、2000年からフリーランスに。スポーツクライミングの取材歴は2013年から。近年はMリーグにハマっている。
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