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スポーツクライミング・スピードは
パリ五輪で単種目に。日本勢は期待大 (4ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO


 楢崎や竹田のような世界との戦いを見据えるトップクライマーに注目が集まるなか、この大会には『自分との戦い』をテーマにしてスピード種目に取り組む選手も出場している。

 高知県で教員をする戸田祐敬(ゆうけい)だ。10代や20代前半が出場選手の大多数を占めるなか、1985年生まれの34歳の存在は異質だ。

 高知国体が行なわれた2002年にクライミングに出会った戸田は、国体に出場しながらクライミングを続けてきた。転機になったのは東京五輪種目のひとつにスピードが加わり、「これだ!」と直感したからだと言う。以来、スピード壁のある東京や愛媛へと、学校が休みのたびに通い、自らを高める努力を続けている。

 今大会は、自己ベストの8秒台の記録には及ばなかったものの、9秒190のタイムで24選手中19位。順位では33位で最下位に沈んだ前回大会の成績を上回った。スピード種目と真摯に向き合う理由を訊ねると、こう語る。

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