14歳、14歳、15歳。女子中学生クライマー3人の東京五輪への道 (3ページ目)
ふたりには、1学年上の伊藤はどう映っているのか。谷井が「ボルダリングがめっちゃ強くて、お姉さん的な感じです」と言えば、森は「そんなにしゃべらないんだけど......」と一拍置いてから、「1歳しか変わらないのに、年上の野口さんや野中さんと普通に一緒にいられてすごいなって」と言葉を絞り出す。
好きな種目は「ボルダリング」、今後の課題は「スピード種目」、苦手なムーブ(動き)は「ランジ(ジャンプ)やコーディネーション(※)」、初出場だった世界ユースの感想は「また来年も出たい」、この1年で身長は「ほとんど伸びていない」、来年2月のBJCの目標は「決勝に残りたい」。
※コーディネーション=リズム感やバランス感覚、空間把握能力など、俗に運動神経と言われる能力の高さが問われる動き。
質問するたびにふたり揃って言葉少なに同じ回答が戻ってくるため、取材者として途方に暮れかけていると、同行カメラマンが「リードやスピードでフォール(※)したときは怖くないの?」と素朴な疑問を投げかける。
※フォール=クライマーが壁から落ちること。ロープを使う種目ではクライマーが落ちた場合、地上の確保者が器具を使ってロープを止め、クライマーの落下を防ぐ。
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