14歳、14歳、15歳。女子中学生
クライマー3人の東京五輪への道
「東京オリンピック効果」と言っても過言ではないだろう。スポーツクライミングの2017年シーズンは女子中学生の存在を抜きにして振り返れないほど、その活躍は目覚ましいものだった。
伊藤ふたば、15歳。岩手県出身 ボルダリング日本一を決める今年1月のボルダリング・ジャパンカップ(BJC)で当時中学2年生の伊藤ふたばが初優勝し、当時中学1年生の森秋彩(もり・あい)が4位。3月のリード日本選手権は第一人者の野口啓代(のぐち・あきよ)が表彰台の中央を死守したものの、森が3位、伊藤が4位と快進撃は続き、報道陣からまばゆいライトが向けられた。
4月を迎えて学年が上がり、主戦場は同世代の大会に移っても、彼女たちの勢いはとどまるところを知らなかった。世界ユース選手権ではユースB(※)のカテゴリーで、伊藤がボルダリング、森がリードとそれぞれの得意種目を制すと、東京五輪の実施種目である複合では中学2年生の谷井菜月が優勝。2位には森、3位には伊藤が入って表彰台を独占した。
※ユースのカテゴリーは年代順に上から「ジュニア」「ユースA」「ユースB」とあり、2017年シーズンのユースBは2002年1月1日生まれ~2003年12月31日生まれ。
この活躍が認められて伊藤、森、谷井の3選手は、日本山岳・スポーツクライミング協会の第1期五輪強化選手に名を連ね、12月6日から3日間の日本代表強化合宿にも参加した。日本代表の安井博志ヘッドコーチは2020年東京オリンピックの出場年齢を満たす3選手の特徴を次のように見ている。
1 / 5