93歳のフィギュアスケーターの "スケートを愛し、仲間に愛される日々" 満州で出合い、68歳で試合デビュー、90代で大会出場 (4ページ目)
●長く続ける秘訣
アイスリンク仙台へ通って20年ほど。練習の時間以外にも、仲間との交流も楽しんでいる。実際にレッスン後、浅野さんは顔馴染みの仲間と会話に花を咲かせていた。
「浅野さん、浅野さんって声をかけてくれてありがたいですよ。私はお菓子づくりをするんで、たまにリンクに持ってくるんですよ。マーマーレードケーキとかピロシキとか。みんなが喜んで食べてくれるのがうれしくて」
一方で、浅野さんの自分のルーティーンを大切にする姿勢に長続きする秘訣があるようだ。
「でも私、レッスンが終わったらリンクに長居はしないんですよ。ささっと帰るの。バスの時間も決まってるし、夕飯の準備もしないといけないですし。あまり無理をしないことで今も続いているのかもしれませんね」
浅野さんにこれからの目標を聞くと、ほほ笑みながらこう語った。
「今はあんまりそういうのはないの。大会も去年頑張ってもう終わりかなと。火曜と金曜にここへ通ってきて、先生に習ってまた帰る。それが楽しい、だから続ける。地下鉄で階段を上り下りして歩いて通ってるからか脚は丈夫ですよ。この歳まで続けてる人って他にいないんじゃないですかね。脚が元気なうちは続けたいです」
「さて、今日もスーパーマーケットに寄って帰らなきゃ」と言って、颯爽とリンクをあとにした浅野さん。彼女は、フィギュアスケートがある日常を深く愛していた。
20年ほど練習拠点にしているアイスリンク仙台にてこの記事に関連する写真を見る撮影協力/アイスリンク仙台
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