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尾木ママ、フィギュアスケートファン歴40年の熱い思い「生観戦が一番」 (3ページ目)

  • 辛仁夏●取材・文 text by Synn Yinha
  • 田口有史●撮影 photo by Taguchi Yukihito

――来季の北京五輪で羽生選手には3連覇の期待がかかります。並大抵のことではないですが......。

 本当にそう思います。2018年の平昌五輪では、羽生選手の右足首の状態を考えても五輪連覇は難しいと言われていました。それでも、自分の状態を冷静に分析したうえで構成されたプログラムは、羽生選手のメンタル面の強さと経験に裏打ちされた神がかり的なパワーを感じました。

 僕は羽生選手が平昌五輪後の会見で、初めて引退後の話をした時に「世界中、いろんなところを周りながら、スケートで本気で1位を目指している人の手助けができたらと思う」というのを聞いて、羽生選手はフィギュアスケートの伝道師になるんだな、と思ったんですよ。フィギュアスケートの楽しさを世界に発信したり、時々子ども向けの教室を開いたり。

 ところが、2019年の初めに「来シーズンは4A込みのパーフェクトパッケージを目指します」と宣言して、2020年12月の全日本選手権では総合319.36の参考記録ながら今季世界最高得点を取って優勝したでしょ。前人未踏の五輪連覇まで上り詰めたので、バーンアウトしないかと少し心配だったけど、まったくの杞憂でした。

 どこまでも伸びていこう、極めていこうとする姿には尊敬するしかありませんね。その"求道者"のようなメンタルを理解できる人がどれだけおられるのだろうか、とも感じます。孤高な精神力を持って、新しい目標に挑む羽生選手の演技が楽しみです。

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