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ロシア女子フィギュア、層が厚すぎ。表彰台3人以外にも優勝候補多数 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihiro

 3回転フリップ+3回転トーループ、2本のダブルアクセルを確実に着氷。基礎点が1.1倍になる後半に、3回転ルッツ、3回転フリップ+シングルオイラー+3回転サルコウで得点を積み上げる。そして最後は3回転ルッツに、3回転トーループではなく3回転ループをつけ、得点を荒稼ぎした。

 スピンが1つレベル2で、ステップもレベル3と、少し疲労を感じさせた。しかし152.17点で、フリーは2位。総合スコア233.17点で、2位を10点以上引き離しての優勝だ。

「世界選手権はとても重要な大会。私は最高のプログラムを準備し、3種類の4回転も試す予定でした。ただ、準備段階で困難に直面し、調整が必要になってしまって。3つの4回転を見せられない、となったときは落ち込みましたが、今の状況でできることに集中しようと思って......。1位になれると思っていなかったので信じられないくらいうれしいです!」

 シェルバコワは謙虚に言い、高みを目指した。

「来シーズンはしっかり準備し、最高の状態で、私ができる最大限のプログラムを見せたいと思っています。北京オリンピックでは、(優勝には)4回転が確実に必要になるでしょうし」

 ロシア勢は表彰台を独占した。しかし、ひとりも喜びに浸り切っていなかった。五輪での金メダルは勲章だが、その前に出場権を巡る争いも過酷なのだ。

 ロシア女子シングルは、一時代を築こうとしている。

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