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ロシア女子フィギュア、層が厚すぎ。表彰台3人以外にも優勝候補多数 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 田口有史●写真 photo by Taguchi Yukihiro

 冒頭の4回転フリップを鮮やかに決めると、次の4回転サルコウは転倒も、少しもひるまない。4回転ルッツ+3回転トーループというコンビネーションジャンプを見事に決め、GOE(出来ばえ点)を含めて19.48点をはじき出す。男子トップに比肩する大技だ。

 後半、4回転ルッツは再び転倒。4回転トーループからの連続ジャンプはダウングレードになったが、得点は稼ぎ出す。そして最後は、3回転ルッツ+3回転トーループという難易度の高いコンビネーションジャンプを、楽々と跳んでいた。

 フリーは152.38点で1位。大きく巻き返しての3位表彰台で、五輪シーズンに向けて強烈な存在感を示した。

「プログラムに関して言えば、今日のパフォーマンスには満足していません。スコアはそんな大事なことじゃなくて。自分はただ、クリーンな演技がしたいの」

 トゥルソワは言うが、その完成形は新時代の黎明かーー。

 一方、SP3位のトゥクタミシェワは24歳と経験を積んだスケーターの老練さを見せた。日本語で「愛」が背中に刻まれた黒い衣装で、2本のトリプルアクセルを成功した後だった。4本目のジャンプ、3回転フリップで転び、そこから流れを失う気配があったが、粘り強く持ちこたえた。曲の律動が高まる中、残り3本のジャンプをすべて着氷し、141.60点を獲得している。

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